【3次元CAD図】

□内部構成
右にオルガンの内部構造を示す3次元CAD図を示しました。木管と金属管を併用したタイプを示しています。




















□風箱

風箱とは、開閉弁によりパイプを発音させるための仕掛け内蔵した箱状の部分です。風箱の容積の大きな下部分の空間には常時一定圧力の空気が満たされています。また、風箱の上部にはパイプが置かれ、各パイプは下の空間と小さな流路でつながっています。そして、その途中に空気の関所というべき開閉弁が設けられています。開閉弁は通常は閉じています。鍵盤を押すとこの開閉弁が開いて、下の大きな空間の空気がパイプに送られ、パイプが発音します。

□アクション(伝達機構)
 鍵盤を押した操作が、開閉弁を開閉する動作に伝達される機構にいくつかの方法があります。
 1つは鍵盤の動きを、木棒やテコなどで機械的に伝達する方法です。メカニカルトラッカーアクション(機械式アクション)といいます。演奏者の細かい表情を伝え易い伝統的な機構です。
 もうひとつは電気信号を仲介させる方法です。この機構の特徴は多彩な演奏形態が容易にとれることです。本オルガンでは敢えて電気式のアクションにしました。人が演奏する場合は機械式アクションとほぼ同様ですが、さらに外部に市販のMIDIシーケンサーとよばれる機器を接続すると、自動演奏を行うことが可能となるからです。また本オルガンのような小オルガンでは、少ない笛を多面的に使って、擬似的にパイプオルガンのストップ(音栓)を形成することで、複数の音色を楽しむことができるからです。しかし失ったものもあります。オルガンは指で強弱がつけられない楽器です。旋律を歌わせたり、伴奏にまわらせたり、アクセントをつけたりなど微妙な表情をつけるには、鍵盤を押す速さに比例して、開閉弁を開閉する機構が必要です。良くできた機械式アクションでは指で開閉弁をじかに操作している感触が得られ、早く押すとアタックの効いた(チフ気味な)立ち上がり、ゆっくり押すと滑らかな立ち上がりを演奏できます。電気式アクションでは電磁石のオン・オフで開閉弁を開閉するので、どうしても一定速度での開閉になります。このため表情豊かな曲の演奏は不得意なことがあります。しかしトゥッティで歯切れ良く演奏する場合などは、半鳴りになりにくいため、頭のそろったきびきびした演奏ができる様な気もします。
 その他の伝達機構として、空気圧力を用いた機構など何通りかがありますが、新設されるケースは少ないようです。

□パイプ
 パイプは通常はオルガンメタルとよばれる錫と鉛の合金でできています。半田付けで使用するハンダと同じ成分です。錫と鉛の配合割合で、(整音にもよりますが、)錫が多いと輝きがある音色、鉛が多いと落ち着いた(うつろな)音色になるようです。
 本オルガンでは、銅を使用してみました。錫鉛合金は、半田付けをやられた方ならお分かりかと思いますが、非常にやわらかく、不用意に持てばすぐにつぶれてしまいます。輸送や管理には細心の注意が必要です。銅管ならば注意は楽になると考えたからです。しかし、錫鉛合金のこの柔らかさが、オルガンの音色に役立っています。つまり不要な共振やビビリを抑え、高次の倍音を減衰させる働き、これが錫鉛の真骨頂と思います。これに対し通常の銅管ではどうしても高次の倍音の響きが強すぎます。そこで本オルガンでは銅管を完全に焼きなましし、柔らかくすることで、響きすぎを抑えました。バロック時代でも焼きなましをした銅パイプは一部使用されています。音色は純錫管に近い感じだと思います。

□外装ケース
 本体のケースは、楢の無垢材または楢の集成材を使用しています。比較的高級感のある素材です。また、機械彫りですが、彫刻が施されています。北イタリアのオルガン風の門形のデザインとしました。

□制御部分
 制御部分は専用の回路基板を開発し、線材の配線数を極力少なくし、故障を軽減しました。制御部の頭脳には日立H8シリーズの16ビットCPUを用いて、内部制御(送風制御、電源制御など)およびMIDIの通信制御、MIDIによる発音制御、電磁石の駆動制御などの処理を、一括して行わせています。
 また安全のためにヒューズを電源部分だけでなく、容量の小さなヒューズを各電磁石ごとに(4個毎に)多数配置することで、万一電磁石が短絡しても回路が容易に遮断されるようにしています。

(木管金属管併用タイプ)

【飾り彫刻】

【オルガンメイン基板】

【内部構造(下から見る断面)】

【内部構造(左上断面)】

【風箱】

【オルガン管】